母へのはがき
私の母は現在、施設に入所しています。このコロナ禍で面会ができません。全国どこでも同じでしょうね。できたとしてもガラス越し、会話はタブレットを通して、月に1回、などお約束も多々あります。面会ができていたころは仕事終わりに会いに出かけ、食事の世話や手のマッサージをしてきたのですが、それも随分、遠い過去のことになってしまいました。そんな時、テレビで「入院している妻に毎日 I love you と書いたはがきをもう、何年も送り続けている」という方の話を聞きました。私はこれだ!!と思いました。会えないのなら一方的にはがきを送ろう。自宅から建物が見える距離だけど、きちんとポストに投函して届けよう。そう決めて毎日、書いて送っています。内容は庭の花が咲いたことや、いただきものをしたとか、蚊をつぶせなくなったとか、他愛もないことですが、それでいいのだと思っています。母は返事を書くという気力はすでに失っているようです。でも読んではいるらしい。どんな気持ちで読んでいるのかなあ。というより、毎日届くことをどう思っているのかなあ。母の日のはがきには「お母さん、ありがとう」の言葉を添えました。一緒にいる頃は面と向かって言えなかった言葉です。書き続ける私が喜びをいただいている、そう思えるようになりました。