「君たちはどう生きるか」
この頃、少し、話題になっている「君たちはどう生きるか」(吉野源三郎著:岩波文庫)を読みました。中学生のコペル君に彼のおじさんからのメッセージと言う形を取って様々な社会認識を伝えていくという内容です。戦前の中学生であるコペル君が日常の出来事を通してそれはそれは深く、考え、感じていく様子が生き生きと書かれていて、還暦を過ぎた大の大人がたくさん感銘を受けました。
おじさんからのメッセージはコペル君が中学生であるという認識を越えて、一人の人間として対等に物事を伝えています。私はその姿勢を感じながら園児たちへの思いやまなざしも同じでなければならないと改めて感じました。
相手に何かを伝えたい、そういう時は決して上からでは伝わりません。たとえ、幼子であっても相手が一人の人間であるということは紛れもない事実であり、そのことを抜きにしては保育と言う仕事は成り立ちません。日ごろから子どもたちと関わりながら、学ぶことがなんと多いかと感じています。
「君たちはどう生きるか」という問いは私がどんな姿勢で生きていくのかということと同義だと感じて読み終えました。