新幹線の車内で

午後の会議に合わせてお昼前の新幹線に乗りました。車内でお昼を食べようと売店でしばし悩みました。おにぎりにするか、駅弁にするか。後者（鯛めし）に決めて席も確保できて、さて、いつ、食べようかなあと思いを巡らしていたら隣に男性が座ってきました。視線の中に入ったのは牧師さんの服装。え！？と思ったけどあからさまに見るわけにはいかず、でもやっぱり牧師さん。シスターがその服装で電車に乗ったり、研修に参加されていることはよくあるので不思議には思いませんが、電車の中で牧師さんは初めての体験です。服装からしか判断できないので年齢は分かりません。そのうち、書物を広げて読み始めました。日本語ではありません。昼食はもう少し後にしようと、しばし、目をつむり、仮眠した私。ふと目覚めると彼は「アーメン」のしぐさで十字を切りました。そんな空気の仲ですが、時間も来たし、食べようと決意し、鯛めしのふたを開けました。おいしいのですが、いささか、緊張感の中での鯛めし。ボロボロこぼさないようにいつになく、上品に食べました。最後のたくあん、残しては申し訳ないので、食べることにしました。ポリポリ音を立てざるを得ない。聖書を読んでいる人の横でたくあんを食べる私。窓の方を向いてこそこそしている私。いつもならゴミは適当に袋に入れておくのにこの時は蓋も紐も元のようにきれいに戻しました。

さて、食事がすんで心残りは彼がどんな人かということです。ちょうど品川の少し手前で彼は席を立ちました。荷物は置いてあるのでお手洗いに行ったのでしょう。私はこの間に降りる準備をしてデッキへ向かいました。向こうから牧師さん。正面からお顔を拝見させていただき、すっきりしました。