感情が錆びつかないように
1日1首、短歌を作り続けて12年目になりました。日常のちょっとした光景や嬉しい、楽しい、幸せなどの感情を毎日、31文字にして手帳に書き留めてきました。以前は運転中でも何気ない光景が目に入ってきたものですが、最近はそれに気づけなくなってきています。作った短歌を読み返してもあんまり、心躍るものではありません。感情が錆びついてきたのかなあと思っていたところでした。ところが先日、広島の原爆慰霊の実況中、黙祷の時に急に目頭が熱くなってきました。特に思い入れを持ちながら映像を見ていたわけではありません。また、甲子園の開会式での選手宣誓をラジオで聞いていたら、この時も涙が。放送中、アナウンサーも声を上げません。私も運転中にもかかわらず、聞き入ってしましました。そして今日、灰谷健次郎の「天の瞳 成長編 Ⅰ」を読んでいたら涙がこみ上げてきました。人知れず涙をぬぐいながら読み進めました。
心が錆びついてきたかなあ、これも加齢現象かなあといささか、残念に思ってたこの頃でしたが、こんな体験からまだまだ、心を柔らかに保っていられそうだとホッとしています。