粛々と
先日の台風10号、当地では冠水した道路の影響でお迎えと退勤の時間が直撃されました。幸い、園には被害もなく、保育は可能な状態でしたが、翌日は交通渋滞もあり、職員の中には出勤できなかった人もいました。子どもたちも保護者の皆さんの判断により、当園を見合わせていただいたご家庭がたくさんありました。
この日、何と私は一抹の不安を抱えながら上京しました。職務のためです。やることをやっていざ帰ろうとしたら新幹線が動くやら動かないやらという情報が。帰りたい一心で東京駅に向かい、ホームに止まっていた車両に乗り込みました。ところが運転取りやめのアナウンス。やむなく、運転開始まで動けなくなりました。いよいよ、動き出した時、車内は満席、立っている人もいます。三島が終点、その先は在来線を乗り継ぎます。三島駅はこんなの初めてみたいな状態で人があふれ、改札はパンク、一旦入場規制がかかり、テープが張られました。在来線のホームも人でいっぱいです。ようやく乗り込んで、一路、静岡駅を目指しました。三島駅のホームでは誰一人、声を上げる人はいません。粛々と指示に従い、人を押しのけるとかもありませんでした。唯一、コンコースに何のはずみか迷い込んだセミがジージーと大騒ぎしていました。
昨日は朝の新橋駅で銀座線に乗ろうとしたらホームに降りられないくらい、人でいっぱい。通勤時間帯でした。一列車が出発して乗った人の分、コンコースから進むことができます。何回か、これを繰り返してようやく乗ることができました。声を上げる人はいません。駅員が誘導しなくても皆、整然と順番を待っていました。これが日常の姿のかもしれません。夜は20時過ぎのひかり号に乗りました。金曜日の夜、これも満席、立っている人がいます。こちらの車内も本当に静かで話し声は聞こえてきませんでした。新横浜を過ぎると次は静岡です。持っていた漫画を読み切ってつい、うとうとしていたら静岡到着のアナウンスが聞こえ、慌てて降りる準備をした次第。
この国の人々はいかなる状況においても大騒ぎをしませんね。粛々と波に従う。あきらめているのではなく、そういうものなのだとしている・・・ということかな。